Columnコラム

マラリア

2025.04.01

今回はマラリアについてご紹介します。一度は耳にしたことのある病気だと思います。
 
マラリアはマラリア原虫といわれる寄生虫によって引き起こされる病気で、蚊によって感染します。熱帯や亜熱帯に多く発生しており、世界中で重要な感染症となっています。早期に治療しないと、重症化して死亡することがある感染症です。
 
・症状
発熱、貧血、脾腫黄疸、悪寒、震え、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、呼吸器症状、意識障害。
重症化すると脳症、肺水腫、腎症など様々な合併症を起こし、死亡することがあります。
 
・特徴
現在でも100カ国で流行し、年間2億人が感染し、200万人が死亡していると言われています。戦前には日本でも感染が見られましたが、現在は発生しておりません。
流行している地域に行く際は注意が必要です。オセアニア、アジア、アフリカ、中南米などで流行していますので注意が必要です。
 
・病原体
マラリア原虫(熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫)
  
・感染経路
メスのハマダラカが卵を産む際に、人に吸血することで感染します。ヒトからヒトへの感染はありません。稀に輸血や臓器移植、注射針を使いまわすことなどで感染することもあります。
 
・潜伏期間
熱帯熱マラリアは7~14日、三日熱マラリアは12~17日、四日熱マラリアは18~40日、卵形マラリアは11~18日です。
 
・予防方法
 マラリアには予防薬があります。流行地に行く際は抗マラリア薬の予防投与を検討してください。まずは専門の医師に相談しましょう。
蚊にさされないようにすることも大切です。長袖、長ズボンを履き、肌を露出しないようにしましょう。虫よけスプレーも有効ですので検討下さい。
蚊の繁殖を抑えるために、水が溜まっている場所は放置しないようにしましょう。
事前にマラリアが流行している地域を確認して、渡航はできるだけ避けるようにしましょう。
ハマダラカは夜間に活動が活発するので、夜間の外出は避けましょう。設備が整った施設に宿泊しましょう。
 
・治療方法
抗マラリア薬を使って治療を行います。早めの治療が大切です。海外に渡航歴がある人は事前に医師に話しましょう。 
4類感染症に定められていますので、 保健所に届ける必要があります。
 
症状や気になる方は、早めに病院に受診し相談しましょう。
 その他に気になることがありましたら、お気軽に薬剤師にご相談ください。
 
 
(国立感染症研究所、厚生労働省より参照)
 

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