Columnコラム

急性中耳炎

2021.03.01

今回は急性中耳炎についてご紹介します。子どもがいる家庭では、一度は耳にしたことのある病気だと思います。

耳は外側から外耳、内耳、中耳と別れますが、急性中耳炎は、ウイルスや細菌によって中耳が炎症を起こした病態です。風邪やアレルギーの合併症としてもよくみられる疾患です。急性中耳炎は様々な年齢でかかる疾患ですが、中耳が未発達なため、3歳未満で多く見られます。治ってもまた直ぐに再発したり、何度もかかることもあります。
 
・症状
耳の痛み、耳垂れ、難聴、めまい、発熱、吐き気、嘔吐、下痢など
 
・原因菌
細菌、ウイルス
喉や鼻などの炎症が耳に及んで急性中耳炎が起きます。
近年、薬の効かない耐性菌が増えています。
 
・予防方法
インフルエンザ、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型については予防接種があるので、予防接種をすることでリスクを下げる事が出来ます。
鼻水、鼻づまりはそのまませず、治療する事も大切です。鼻を強くかんだり、鼻水をすすらないようにしましょう。長引く風邪にも注意しましょう。
 
・治療方法
抗菌薬やアセトアミノフェンなどの痛み止めを使う事があります。大半は治療をしなくても回復します。必要に応じてアモキシシリンなどの抗菌薬を使用します。
急性中耳炎を繰り返す小児に対しては、手術で鼓膜に穴をあけて鼓膜チューブを鼓膜の穴に留置する鼓膜切開術を行うこともあります。これは中耳から液体が排出され、中耳の中と外の圧力を整えるためです。
 
・学校の登園、登校について
学校保健法では、明確な規定はありません。本人の状態によって判断されるべきと考えられています。かかりつけ医師と相談してください。 
 
小さな子どもで症状がありましたら、早めに病院に受診し相談しましょう。