Columnコラム

ノロウイルス

2019.02.03

今回はノロウイルスにいつてご紹介します。一度は耳にしたことのある病気だと思います。

小児科では胃腸炎のお子さんが増えてきています。胃腸炎の中でも、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が冬には流行します。

ノロウイルスによる胃腸炎は、健康な大人の場合は軽症で回復しますが、体力の弱い子供やお年寄りでは重症化したり、嘔吐物を詰まらせて死亡したりすることもあります。

感染経路としては、①患者の便や嘔吐物から人の手などを介した二次感染、②感染者が調理して汚染された食品を食べた場合、③汚染された二枚貝(生ガキなど)を十分に加熱せずに食べた場合、などがあります。

②については、保育園等での餅つき大会で集団感染した例が近年各地で報告されています。ノロウイルスにはワクチンや治療薬がないため、予防対策が重要です。

予防対策の1番は手洗いです。石鹸をしっかり泡立てて流水でしっかりすすぎます。爪は常に短くしておきます。石鹸でウイルスは殺せませんが、手の脂肪分等の汚れを落とすことでウイルスが手指から剥がれやすくなります。アルコール消毒のみでは手についたノロウイルスを除去することはできません。

食中毒を防ぐために、小さなお子さんにはなるべく生ものはあげないようにします。

お子さんが発症してしまった場合、嘔吐物の処理や下痢した際のおむつ類の処理の際にはなるべく使い捨ての手袋、マスクを着用します(できれば使い捨てエプロンも)。
嘔吐物等を拭きとった場所や拭きとりに使用したものは次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなどの塩素系漂白剤やミルトン)で消毒します。

感染してしまった場合は水分と栄養を補給しながら安静にします。脱水症状がひどい場合は病院で輸液などの治療が必要な場合もあります。下痢止めは回復を遅らせる事があるので使用しないことが望ましいです。