Columnコラム

アニサキスによる食中毒

2025.02.01

今回はアニサキスによる食中毒についてご紹介します。最近、メディアでも取り上げられるので、一度は耳にしたことのある病気かもしれません。
 
アニサキスによる食中毒は、アニサキス幼虫が寄生している魚介類などを生で食べることによって起きる病気です。日本では魚介類をお寿司や刺身などで食べる習慣があるので、多数報告されています。アニサキスはクジラやイルカなどの体内で成虫になる寄生虫で、人間の体内に入ると胃腸炎を起こします。
 
・症状
嘔気、嘔吐、下痢、腹痛。
ほとんどが、魚介類を食べた後、8時間以内に激しい腹痛が現れます。
急性胃アニサキス症は食べた後数時間から数十時間後にみぞおちの激しい痛みなどが起きます。
急性腸アニサキス症は食べた後数十時間から数日後に下腹部の激しい痛みなどが起きます。
蕁麻疹やアナフィラキシー症状が起きることもあります。
 
・特徴
アニサキスは寄生虫の一種です。アニサキス幼虫はサバ、サンマ、カツオ、イワシ、イカ、アジなど様々な魚の胃腸に寄生しています。アニサキス幼虫は幅は0.5~1mm、長さ2~3cmの白色の糸のような形状をしています。 
アニサキスは卵がクジラの糞などによって、海に排出されます。卵をふ化した後、プランクトンに食べられ、体内で幼虫となります。その後、そのプランクトンを食べた魚などに寄生していきますので、様々な魚介類に寄生することになります。
人の体にアニサキスが入ると、アニサキスは長生きすることはできず、1週間ほどで死んでしまうと言われています。
 
・原因
 
アニサキス幼虫
  
・感染経路
アニサキスが寄生している魚介類などを食べることによって感染します。
養殖の魚などはアニサキスの寄生はほとんど見られません。
 
・予防方法
アニサキスはお酢や、わさび、醤油などでは死滅しません。
加熱するか、凍結することで死滅します。-20℃で24時間以上凍結するか、70℃以上で加熱、60℃で1分加熱すれば死滅します。
アニサキスは魚の筋肉によりも内臓に寄生しているので、内臓は取り除いて調理して下さい。調理する際に、目視で確認して除去する必要があります。
常温で魚を保存していると、アニサキスは内臓から筋肉へ移ることがわかっているので、より新鮮な魚を食べるようにしましょう。
 
・治療方法
 効果的な治療法はありません。
内視鏡検査で摘出するか、外科手術で摘出するか、対症療法で治療することがあります。
 
症状がありましたら、早めに病院に受診し相談しましょう。
 
 
(厚生労働省より参照)
 

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