2020.12.01
今回は肺炎球菌感染症についてご紹介します。一度は耳にしたことのある病気だと思います。
肺炎球菌感染症は肺炎球菌による感染症です。肺炎球菌はグラム陽性菌で、主要な呼吸器病原性菌の1つです。多くの小児は肺炎球菌を鼻咽頭に保菌し、しばしば中耳炎や肺炎を発症します。
肺炎球菌は小児、成人に肺炎、中耳炎、副鼻腔炎等の非侵襲性感染症を引き起こします。成人の市中発症肺炎の大半は菌血症を伴わない肺炎であり、その原因菌の約20%が肺炎球菌です。また、肺炎球菌は、ときには、髄膜炎や菌血症を伴う肺炎などの侵襲性肺炎球菌感染症を引き起こします。
・症状
発熱、咳、痰、息切れ
髄膜炎、敗血症、菌血症、肺炎、中耳炎など
・細菌
肺炎球菌
・潜伏期間
潜伏期間は不明です。
・感染経路
くしゃみや咳などの飛沫感染です。
・予防方法
手洗い、手指の消毒が重要です。感染者との濃厚な接触も控えましょう。タオルを併用するのも避けましょう。
ワクチンの接種が有効です。
23価肺炎球菌多糖体ワクチン
2才以上で肺炎球菌による重い疾患にかかる危険性が高い人と、65歳以上の高齢者が接種対象です。2014年10月から高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンが定期接種になりました。
13価肺炎球菌結合型ワクチン
2013年4月の予防接種法の改正に伴い、肺炎球菌(7価結合型)ワクチンは定期接種となり、同年11月より13価結合型が導入されました。
・治療方法
抗菌薬が有効ですが、近年耐性菌も多く報告されています。
症状がありましたら、早めに病院に受診し相談しましょう。
(国立感染症研究所、東京都感染症情報センターより参照)