Columnコラム

日本紅斑熱

2025.01.04

今回は日本紅斑熱についてご紹介します。あまり聞き慣れない病気だと思いますが、国内でも年間200件以上の報告がされています。山へ出かける時に感染することもありますので、注意が必要です。比較的温暖な太平洋側の地域が多く、沖縄県でも報告されています。
 
日本紅斑熱は病原体を保有するダニに咬まれることで、感染する病気です。国内でも感染報告があり、死亡者も出ています。感染症法では四類感染症になっている病気です。
マダニの活動が活発になる4月頃から発生し始めます。9~10月では患者数が増えるピークとなりますので注意が必要です。 
 
症状
発熱、頭痛、マダニの刺し口、発疹、倦怠感、全身痛など。
 発疹は体幹部から手足に広がり、全身に見られますが、主に体幹部に出現しやすいです。
刺し口が小さいので、マダニに咬まれたことに気づいていないことが多いです。
 
病原体
リケッチア・ジャポニカ(日本紅斑熱リケッチア)
 
潜伏期間
潜伏期間は2~8日程です。
 
感染経路
ダニに咬まれることで感染します。
人から人へ感染することはありません。
 ヤマアラシダニ、キチマダニ、タトゲチマダニなどの自然に生息しているダニによって感染すると言われています。ただし、すべてのダニがリケッチアを保有しているわけではありませんので、必ず感染するとは限りません。
野外で遊んだあとに、1~2週間後発熱した場合はすぐに病院へ行くようにしましょう。 
 
予防方法
ワクチンはないので、森や山などに行く際や、流行地に行く際には肌を露出しないようにすることが大切です。 
山林に入る場合や農作業する場合は、長ズボン、長袖を着用して、ダニよけスプレーを使用してください。
脱いだ服は地面に置かないようにしましょう。
作業着などは着回さないようにしましょう。
また山林に入ったあとは、早めにお風呂に入って汚れを落とし、衛生的にすることも大切です。
 
治療方法
早い段階での抗菌薬の投与が大切です。テトラサイクリン系の抗菌薬が第一選択となります。ニューキノロン系抗菌薬と併用することもあります。
治療が遅れると重症化する恐れがあるので、早めの治療が重要となります。
皮膚にダニを見つけた場合は無理に取らないでください。ダニの一部が残ることがあります。病院で取ってもらってください。
 
症状がありましたら、早めに病院に受診し医師にまずは相談しましょう。
 その他、気になることがありましたら、お気軽に薬剤師にご相談ください。

(厚生労働省より参照)

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