Columnコラム

脂質異常症

2022.11.01

今回は生活習慣病の一つである脂質異常症についてご紹介します。脂質異常症は、2007年以前までは高脂血症とも言われていました。
 
脂質異常症は、血液中の脂質の値が異常を起こす病気です。
血液中の脂質には、悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロール善玉コレステロールといわれるHDLコレステロール中性脂肪といわれるトリグリセライドがあります。
コレステロールは、胆汁酸の材料、細胞膜の構成成分、ホルモンの材料などになるので、身体には必要なものです。また、中性脂肪は、保湿、貯蔵用のエネルギーなどに使われます。
 
これらの脂質が異常値になると、動脈硬化を起こし、様々な合併症を引き起こすリスクがあります。脂質異常により血管が詰まることがあります。心臓の血管が詰まると心筋梗塞を起こし、脳の血管が詰まると脳梗塞を起こしますので、普段からの予防することが大切です。
 
・診断基準
LDLコレステロール血症
140mg/dL以上
HDLコレステロール血症
40mg/dL未満
高トリグリセライド血症
150mg/dL以上
空腹時の採血時の値です。
 
・原因
飽和脂肪酸の摂りすぎ、運動不足、喫煙、体重増加、お酒の飲みすぎ、過食、食事のバランスの偏り、ストレスなど
その他に、遺伝によるものである、家族性高コレステロール血症もあります。
また、甲状腺機能低下症、肝臓病、腎臓病、糖尿病など他の病気によって発症することもあります。
 
・予防
体内のコレステロールを増やすのは飽和脂肪酸と言われています。
鳥の皮、豚や牛の脂、ベーコン、乳製品、卵黄、バター、アイスクリーム、お菓子などに含まれる飽和脂肪酸は、摂り過ぎないようにする必要があります。マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の摂り過ぎも脂質異常症に悪影響があります。
運動は1日30分以上することが良いとされています。継続して運動することが大切です。
食事のバランスとしては、炭水化物60%、タンパク質20%、脂質20%となることが理想です。野菜、果物、食物繊維を摂るように心掛け、バランスよく食事するようにしましょう。
 
・治療
脂質異常症の治療はまずは運動療法、食事療法を行います。それでも下がらない場合は薬物療法を開始します。服用開始後も定期的に検査をして、チェックする必要があります。治療目標はそれぞれの患者さまに合わせて、医師が調整して行います。
現在は様々な脂質異常症の治療薬が開発されていますので、かかりつけ医師と相談して早めに治療を開始しましょう。