Columnコラム

サル痘

2022.08.01

今回はサル痘についてご紹介したいと思います。最近話題になっており、ニュースなどで聞いた人が多いのではないでしょうか。
 
サル痘は急性発疹性感染症で、主にアフリカで多く発生している感染症です。
しかしながら、最近ではイギリスやアメリカなどでもサル痘の感染が報告されていますので、注意が必要です。
日本国内での発症は現在のところ、ほとんど報告されていません。
 
・症状
発疹、発熱、頭痛、筋肉痛、リンパの腫れ、喉の痛みなど。発疹は顔や手足に多く出やすいです。
合併症があると重症化しやすいです。症状が天然痘と似ていると言われています。
 
ほとんどの場合は2~4週間で自然に治ると言われていますが、稀に重症化することもあります。妊婦や小児、免疫力が低い日とは注意が必要です。
サル痘での致死率は1~10%ぐらいです。
敗血症、気管支肺炎、脳炎、角膜炎などの合併症を引き起こすこともあります。
 
・原因ウイルス
サル痘ウイルス
1970年にアフリカの現在のコンゴ民主主義共和国で初めて発見された病気です。
 
コンゴ盆地系統群と西アフリカ系統群の2種類あり、コンゴ盆地系統群の方が重症化しやすく、感染力が強いと考えられています。
宿主の動物は現在のところはきちんと明らかになっていません。宿主はネズミや、サル、ウサギなどが考えられています。
 
・潜伏期間
7日~14日と言われています。最大21日とも言われています。
 
・感染経路
宿主の動物と接触したり、引掻かれたりすることで感染すると考えられています。
人から人への感染することもあります。飛沫感染や接触感染により感染すると考えられています。
 
・予防法
まずは流行している地域に行かないことが大切です。渡航する前に現地の状況を確認しましょう。
 
また感染の可能性がある動物や、感染者とは接触しないようにしましょう。
 
マスクをつけることや、咳エチケット、手をきちんと洗うことも大切です。
 
サル痘のワクチンは現在ありませんが、天然痘のワクチンが有効と言われています。
 
・治療法
基本的には症状を緩和する対症療法を行うことになります。特別な治療法はありません。
 
サル痘は4類感染症に指定されています。保健所に届出をする必要があります。
 
アフリカ地域に渡航歴がある人や、アフリカで動物との接触があった、患者との接触があったなど、感染が疑われる場合には事前に医療機関に連絡してから受診しましょう。
 
 
その他、気になることがありましたら、お気軽に薬剤師にご相談ください。